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2016年12月19日

カルデラのでき方と日本の代表的なカルデラたち

カルデラとは火山活動によって形成された凹地のことです。
カルデラは「釜、鍋」という意味のスペイン語が由来です。

日本は火山大国であるだけに、たくさんのカルデラが形成されてきました。
「え?ここも?」
と思うような場所もカルデラだったりします。

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カルデラの成り立ち

カルデラは、火山の噴火によって地表の一部が吹き飛ばされたり、陥没したりしてできます。
この火山の中心にできた凹地が火口もしくはカルデラとなります。
火口とカルデラを分ける細かい規定はありませんが、直径2km以上のものをカルデラと称するようです

カルデラのでき方は大きく分けて3タイプあります。


  1. 陥没カルデラ

    噴火によってマグマが噴出し、地中のマグマだまりに空洞ができ、支えを失った上の部分が崩れ落ちてできたもの。阿蘇カルデラがこのタイプ。

陥没カルデラ.png

  1. 爆発カルデラ

    大噴火や水蒸気爆発によって山体が破壊されてできるもの。磐梯山がこのタイプ。

爆発カルデラ.png

  1. 浸食カルデラ

    もともとは普通の火山が浸食によって火口が大きく広がったもの。湯河原火山がこのタイプ。

浸食カルデラ.png

代表的なカルデラ

今から約15万年前までに起こった主要なカルデラは以下の通りです。
火砕流の範囲と火山灰の分布域も示してあります。


日本のカルデラ.png

  • 屈斜路カルデラ(北海道)

    東西約26km、南北約20kmの日本最大のカルデラ
    約12万年前と約4万年前に大規模な噴火を起こした。
    現在はカルデラ湖になっており、湖沼としては日本で6番目の大きさ。


  • 支笏カルデラ(北海道)

    約4万年前の大噴火によって形成された。
    この噴火による火山灰で十勝平野は砂漠となった。
    現在はカルデラ湖となっており、最大深度360m、平均水深265mで秋田県の田沢湖に次いで2番目
    カルデラ湖としては屈斜路湖に次いで2番目の大きさ。
    周辺にある恵庭岳、風不死岳の本体


  • 洞爺カルデラ(北海道)

    約11.4万年前の大噴火によって形成された。
    ここも現在カルデラ湖となっており、屈斜路湖、支笏湖に次いでカルデラ湖としては3番目に大きい
    湖の中央に、約5万年前の火山噴火によってできた中島という4つの島がある。
    湖底を含め、11の火山体が確認されている
    有珠山の本体


  • 十和田カルデラ(青森県・秋田県)

    約2.5万年前と約1.3万年前の大噴火によって形成された二重カルデラ湖。
    特に約1万3前年前に起きた八戸噴火による火砕流は青森市付近にまで到達した
    十和田湖は最大深度326.8mで、日本で3番目の深さを誇る


  • 阿蘇カルデラ(熊本県)

    屈斜路カルデラに次ぐ日本で2番目に大きなカルデラ。
    知名度ではこちらの方が上。
    約26.6万年前、約14.1万年前、約13万年前、約9万年前に大噴火をしている
    特に4回目の噴火では、ほぼ日本全域に火山灰を降らせ、火砕流は山口県の秋吉台にまで到達している


  • 姶良カルデラ(鹿児島県)

    約2.9万年前の大噴火によって形成された。
    その火砕流(入戸火砕流)によって南九州の旧石器文明は滅亡
    シラス台地の形成に大きく影響した。
    桜島の本体


  • 阿多カルデラ(鹿児島県)

    約11万年前の大噴火によって形成された。
    約5500年前にも大噴火が起こり、池田湖を形成した。
    池田湖から山川湾にかけてのカルデラおよび噴火口群と開聞岳はともにランクCの活火山である
    つまり、現在も絶賛活動中である。


  • 鬼界カルデラ(鹿児島県南西沖)

    約14万年前、約9.5万年前、約7300年前に大噴火。
    特に7300年前の大噴火では、津波と火砕流により九州南部の縄文文化が滅亡
    約1000年近く無人の大地と化す。
    火山灰は東北地方にまで降り積もった。


さいごに

日本列島においてはだいたい1万年に一度の頻度でカルデラ噴火が起こってきました。
一番最近に起こったカルデラ噴火は鬼界カルデラの約7300年前。
必ずしも一定の周期で起きているわけではないので一概に言えませんが、カルデラ噴火の発生は徐々に高まっているといえなくもないのです。

カルデラ噴火が起こす火砕流の範囲は100〜200km。
その範囲に時速100kmの速さで100℃を越す高温の火砕流が襲ってくるわけです。
発生場所によってはものすごい数の犠牲者が出てしまいます。

火砕流の範囲外であっても、火山灰が降り積もることによって様々な影響が出てきます。
火山灰は広域にわたり、10cm以上降り積もることが予想されます。
送電線が断線してしまったり、取水できずに断水が続いたりとライフラインに影響が出ます。
さらには、農作物は枯れてしまったり、屋根が重みに耐えられず崩壊したり、交通機関がマヒしたり。
影響を考えればキリがありません。

個人レベルでできることなんて無いんじゃないかと思います。
せいぜいできることといえば、とにかく落ち着くことですかね。
落ち着くためには、せめて2〜3日は独力で生きていけるだけの食糧や水などの準備が必要なのではないでしょうか。
事が起きたその日から食料や水を求めて動くのでは、これからどうするか考える時間もありませんよね。

生きているうちにカルデラ噴火が起きないことを祈るばかりです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。



タグ:雑学

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posted by ナマハゲニウム at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 地理ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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